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南 裕介*; 大場 司*; 林 信太郎*; 國分 陽子; 片岡 香子*
Journal of Volcanology and Geothermal Research, 387, p.106661_1 - 106661_17, 2019/12
被引用回数:8 パーセンタイル:40.25(Geosciences, Multidisciplinary)鳥海火山北麓に分布するラハール堆積物について堆積層解析、放射性炭素同位体年代測定、古記録解析を行った。以上の結果から、過去2500年間において少なくとも紀元前25世紀、紀元前24世紀、紀元57世紀、紀元871年、紀元1801年に大規模なラハールが発生していることが明らかになった。これらのラハールはその原因となった火山現象から以下の3つのタイプに区分でき、それぞれ(1)岩屑なだれ堆積物の再堆積、(2)マグマ噴火、(3)水蒸気噴火である。これら3種類のラハールは遠方において、以下の異なる特徴を示すことが明らかになった、(1)遠方においても大規模な粘着性土石流として流動する、(2)流動中の分化・希釈により遠方では河川流として流動する、(3)小規模な粘着性ラハールとなる。
島田 太郎; 武田 聖司; 酒井 隆太郎*; 田窪 一也; 田中 忠夫
MRS Advances (Internet), 1(61), p.4081 - 4086, 2016/00
地層処分のサイト選定においては、火山噴火の直接的な影響を避けるため、既存の火山から十分な離隔をとることが求められている。しかしながら、既存火山からの離隔があっても将来の新規火山活動が発生する可能性を排除できない地域があり、回避しきれない不確かさが残る。そこで、仮に火山噴火が発生した場合の影響の程度を把握し、回避すべき期間のめやすを検討するため、新規火山活動の噴火様式を考慮した2つのシナリオに基づき被ばく線量評価を行った。ひとつは火道が処分坑道を直撃して噴火し、大気中に移流拡散後、地表に堆積した放射性物質を含む火山灰上で生活するシナリオであり、住民の被ばく線量は1000年後に噴火が生じた場合でも1mSv/yを超えない結果となった。もう一つは、メラピ式火砕流に伴い火口付近の地表への露出したむきだしの廃棄体に火山調査者などの公衆が放射性廃棄物の存在を知らずに一時的に接近するシナリオである。その公衆に対する線量率が1mSv/hを下回るには、Sn-126などの長寿命核種の影響で10万年程度の期間を要する結果となり、地表へ露出する廃棄体へ接近するシナリオの影響が大きいことを明らかにした。
牧野 仁史; 加藤 藤孝; 宮原 要
JNC TN8400 2000-033, 74 Pages, 2000/11
天然現象は地質環境の長期安定性に擾乱を与える可能性のある要因の一つであり、その発生の時期、頻度及び影響の形態などに関する不確実性を考慮することが必要であるため、将来において地層処分システムが天然現象の影響を被るものとあえて想定することにより、天然現象が地層処分システムの性能に与える影響を評価し、サイト選定に際して留意すべき天然現象とその影響について把握しておくことは重要である。このため、本検討では、地質環境の長期安定性に影響を与える可能性のある天然現象として、各国の例やわが国の特徴を踏まえた検討の結果抽出された、(1)隆起・沈降・侵食、(2)気候・海水準変動、(3)地震・断層活動、(4)火山・火成活動、の各天然現象について、それらの発生をあえて想定するとともに、それらが地層処分システムの性能に与える特徴的な影響に焦点をあてた検討を行った。その結果、変動シナリオに関しては、断層活動により地下水流れ及び核種移行の卓越的な経路となる断層が廃棄体を横切ることを想定した場合において、断層活動発生時期や断層内地下水流量の値によっては、最大線量が諸外国で提案されている安全基準やわが国の自然放射線レベルと同レベルとなる可能性のあることが示されたが、その他の天然現象については、最大線量が諸外国で提案されている安全基準を下回る結果が得られた。また、接近シナリオに関しては、地層処分起源の核種量ないしは核種フラックスが天然のものと比較可能なレベルである可能性が示唆された。これらの結果は、サイト選定に際して留意すべき天然現象とその影響についての情報として用いることができると考えられる。しかしながら、比較的簡単なモデル化を行うとともに、保守的な想定(条件)を組合せた評価の結果であるため、天然現象の影響が絶対値として大きいかどうかを直接的に判断するための情報として用いることには注意が必要である。
増田 純男; 梅木 博之; 清水 和彦; 宮原 要; 内藤 守正; 長谷川 宏; 牧野 仁史
JNC TN1400 99-007, 497 Pages, 1999/04
核燃料サイクル開発機構(以下,サイクル機構)では,平成9年4月に公表された原子力委員会原子力バックエンド対策専門部会報告書「高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発等の今後の進め方について」(以下,専門部会報告書)に従って,関連する研究機関等の協力を得つつ,地層処分に関わる研究開発を様々な分野において進めてきている。研究開発の全体目標は「わが国における地層処分の技術的信頼性」を示すことにあり,その成果を技術報告書(以下,第2次取りまとめ)として国に提出しその評価を仰ぐこととされている。第2次取りまとめは,平成4年に公表された第l次取りまとめの成果を受けて処分の技術的信頼性を示し,国による評価を経て,処分事業を進める上での処分予定地の選定,安全基準の策定の技術的拠り所を与えるとともに,2000年以降の研究開発の具体化にとって極めて重要なものと位置づけられているものである。平成10年9月には,地層処分に関連する領域の専門家の方々から研究開発の内容や進捗状況について忌憚のない指摘や議論を頂くため,専門部会報告書に示された個々の課題に対する研究開発の成果を中間的に整理した第2次取りまとめ第lドラフトを,専門部会に報告,公表した。第1ドラフトを素材とした指摘や議論およびそれ以降の研究開発の進捗を踏まえて,このたび第2ドラフトをまとめた。第2ドラフトは総論レポートと専門部会報告書に示された主要な研究開発分野である「地質環境条件の調査研究」「処分技術の研究開発」及び「性能評価研究」のそれぞれに対応する3つの分冊から構成されている。本資料は,このうちの第2ドラフト分冊l「地質環境条件の調査研究」であり,総論レポートにおけるわが国の地質環境に関する記述内容の詳細な技術的根拠を与えるものである。第2ドラフトの総論レポートと3つの分冊については,第1ドラフト同様,地層処分に関連する領域の専門家の方々から研究開発の内容や進捗状況について忌憚のない指摘や議論を頂くとともに,英語版を作成し国際的なレビューを受ける予定である。これらのレビューの結果も踏まえ,総論レポートと3つの分冊を2000年前までに完成させることとしている。また,あわせて第2次取りまとめの理解の一助とするため,地層処分に関する基本的な事項や知見に関する情報(例えば,地層処分の発想,評価の時間枠等)を提供することを目的として,
大久保 博生*
JNC TJ1400 99-007, 35 Pages, 1999/02
本研究では、まず、火山活動といったキーワード(あるいは発端事象)に関連する各事象やプロセスを定義し、一般公衆に恐怖感を与えるようなカタストロフィックなシナリオとして、特に、火砕流を伴う中規模クラスの噴火活動シナリオを検討した。次に、このようなシナリオのカタストロフィックな事象やプロセスの特徴をもとに、既往のモデル化概念の事例調査等を通じ、定量化概念(放出量、規模、放出モード(複合発生性)、放出形態、放出頻度、確率など)と処分場システム(周囲の環境状態も含む)の検討を行い、処分場並びにその周辺に与えるインパクトを評価・解析し得るモデルを実際に作成し、地層処分がもたらすリスクを算出し、そのようなシナリオが生じた場合に同時に発生する可能性がある地層処分以外のリスクとの対比が可能となることを考えた。最後に、ここで検討した火山活動シナリオの影響評価プロセス及び作成したモデルを用いて算出したリスクを可視化して、他のリスクと比較できるような検討を行った。
大久保 博生*
JNC TJ1400 99-006, 81 Pages, 1999/02
本研究では、まず、火山活動といったキーワード(あるいは発端事象)に関連する各事象やプロセスを定義し、一般公衆に恐怖感を与えるようなカタストロフィックなシナリオとして、特に、火砕流を伴う中規模クラスの噴火活動シナリオを検討した。次に、このようなシナリオのカタストロフィックな事象やプロセスの特徴をもとに、既往のモデル化概念の事例調査等を通じ、定量化概念(放出量、規模、放出モード(複合発生性)、放出形態、放出頻度、確率など)と処分場システム(周囲の環境状態も含む)の検討を行い、処分場並びにその周辺に与えるインパクトを評価・解析し得るモデルを実際に作成し、地層処分がもたらすリスクを算出し、そのようなシナリオが生じた場合に同時に発生する可能性がある地層処分以外のリスクとの対比が可能となることを考えた。最後に、ここで検討した火山活動シナリオの影響評価プロセス及び作成したモデルを用いて算出したリスクを可視化して、他のリスクと比較できるような検討を行った。
大久保 博生*
PNC TJ1222 97-006, 52 Pages, 1997/03
本研究では、まず、活断層/地震活動、大隕石、火山活動といったキーワード(あるいは発端事象)に関連する各事象やプロセスを定義し、一般公衆に恐怖感を与えるようなカタストロフィックなシナリオを検討した。次に、このようなシナリオのカタストロフィックな事象やプロセスの特徴をもとに、既往のモデル化概念の事例調査等を通じ、定量化概念(放出量、規模、放出モード(複合発生性)、放出形態、放出頻度、確率など)と処分場システム(周囲の環境状態も含む)の検討を行い、処分場並びにその周辺に与えるインパクトを評価・解析し得るモデルを実際に作成し、地層処分がもたらすリスクを算出し、そのようなシナリオが生じた場合に同時に発生する可能性がある地層処分以外のリスクとの対比が可能となることを考えた。最後に、ここで作成したモデルを用いて算出したリスクを可視化して他のリスクと比較できるような検討を行った。
大久保 博生*
PNC TJ1222 97-005, 96 Pages, 1997/03
本研究では、まず、活断層/地震活動、大隕石、火山活動といったキーワード(あるいは発端事象)に関連する各事象やプロセスを定義し、一般公衆に恐怖感を与えるようなカタストロフィックなシナリオを検討した。次に、このようなシナリオのカタストロフィックな事象やプロセスの特徴をもとに、既往のモデル化概念の事例調査等を通じ、定量化概念(放出量、規模、放出モード(複合発生性)、放出形態、放出頻度、確率など)と処分場システム(周囲の環境状態も含む)の検討を行い、処分場並びにその周辺に与えるインパクトを評価・解析し得るモデルを実際に作成し、地層処分がもたらすリスクを算出し、そのようなシナリオが生じた場合に同時に発生する可能性がある地層処分以外のリスクとの対比が可能となることを考えた。最後に、ここで作成したモデルを用いて算出したリスクを可視化して他のリスクと比較できるような検討を行った。
中井 仁彦*
PNC TJ7359 96-001, 108 Pages, 1996/02
火山の地下に賦存する熱源(マグマだまり)が周辺の地質環境にどの程度の影響を及ぼすかを明らかにするためには、熱源の規模とそれに伴う地熱系の範囲と程度を定量的に評価する手法が必要である。当面は、既存の数値解析的アプローチにより、熱源周辺の温度分布、地下水流動系を推定し、実測値との整合性を考慮しつつ解析手法の向上を目指していくのが適切と考えられる。本年度の作業としては、既存の火山およびマグマだまりなどの観測データと解析手法に関する文献調査(適用条件、精度などの検討を含む)、および既存コードの地熱貯留層シミュレータ(SING)を用いたモデル解析を実施したのでのその成果を報告する。作業の内容としては、以下のとうりである。(1)地熱系解析手法に関する情報の文献調査(2)仮想モデルを用いた地熱系解析(3)日本列島を対象とした地熱系解析
米田 茂夫*; 古澤 明*
PNC TJ7308 96-002, 77 Pages, 1996/01
将来の火山活動の再開の可能性、再開した場合の活動の規模・様式を予測する上で、過去の活動の履歴(火山活動史)は重要な情報源となるため、過去のイベントを精度よく捉え、詳細な火山活動史を編纂することが必要となる。本調査は、平成6年度に実施した別府湾におけるピストンコアの火山灰分析結果を用いて、別府湾周辺の火山を対象に、アカホヤ火山灰堆積以降(6,300年前)の活動史の編纂、及びピストンコア試料を用いた火山活動史編纂手法の適用条件・編纂精度の検討を目的に実施した。調査の内容は、由布・鶴見岳、九重山周辺、阿蘇山周辺を対象とした火山灰調査と、その際採取した100試料の火山灰の火山灰分析及び屈折率測定である。調査の結果では、別府湾のG-5、G-6火山灰は阿蘇山起源の火山灰に、M-3火山灰は由布岳起源の火山灰に、G-4及びB-1火山灰は久重連山起源の火山灰に対比できる可能性が高いことが判明した。このことは、ピストンコア試料中の火山灰分析が、ピストンコア採取地点周辺の火山活動を検討する上で、有効な手法であることを示すものであり、火山が存在する近傍に水域がある場合には、火山活動史編纂の一手法として、ピストンコアの火山灰分析は極めて有効であるといえる。